プログラムの先頭 ( 後編 ) 前回の続きです。 残りの部分を見ていきましょう。
PRINT("%");
PRINT(PID,"(",PARTXT,")");
PRINT("(", DMNAM, ")" );
PRINT("(", DPPNA, DVERS, ")" );
PRINT("(", DNCF, ")" );
PRINT("(", DATE, DTIM, ")" );
PRINT("G00 G90 G17 G49 G40 G80");
PRINT("G28 G91 Z0"); |
PRINT は括弧の中の値が表示されるというものでしたので、値だけを見てみると次のようになります。
"%"
PID, "(", PARTXT, ")"
"(", DMNAM, ")"
"(", DPPNA, DVERS, ")"
"(", DNCF, ")" );
"(", DATE, DTIM, ")"
"G00 G90 G17 G49 G40 G80"
"G28 G91 Z0" |
ダブルコーテーションで囲まれた値はストリング
( 文字列 )
と呼ばれ、その内容がそのまま出力されるというものでしたので、その内容がそのまま
NC データに出力されます。
では、それ以外の DMNAM、DPPNA、DVERS、DNCF、DATE、DTIM
についてはどうでしょう?
ダブルコーテーションに囲まれていないということは、この値は変数であることを示しています。
JDGMILL には予め決められた変数があることは前回説明しました。
これらの変数が予め決められた変数かどうかを パラメーター一覧表
から探してみましょう。
一覧表から各変数は以下のように定義されていることがわかります。
DMNAM |
−−→ |
NC機械名 |
DPPNA |
−−→ |
ポストプロセッサー名 |
DVERS |
−−→ |
ポストプロセッサーバージョン |
DNCF |
−−→ |
完全なNCファイル名 |
DATE |
−−→ |
日付,書式:
DD-MON-YYYY |
DTIM |
−−→ |
時間 |
これらの内容からこのプログラムでは以下のように
NC データが出力されることになります。
%
O9001( JDGMILL-TEST )
( Standard )
( DGMILL 2003 )
( D:\eukuser\test.ppp )
( 31-Jul-2003 16:27:54 )
G00G90G17G49G40G80
G28G91Z0 |
この内、ピンク色の部分は変数
( パラメータ ) の内容が出力された部分で、変数の内容は
CLT ファイルの内容によって変化します。
必ずしもこの通りに出力されるというわけではありませんので注意してください。 このように、PRINT
コマンドの後に出力したい内容を並べれば、その内容がそのまま
NC データに出力されます。
ですから、自分の出力したい内容に合わせて PRINT コマンドの内容を編集すれば
NC データの内容を思い通りに変える事が
できるわけです。 それではここで、編集の練習をしてみましょう。
左側が標準の状態で出力した NC データです。その内、赤字の箇所は出力しないようにして右側の
NC データのようになるように
するとします。
%
O9001( JDGMILL-TEST )
( Standard )
( DGMILL 2003 )
( D:\eukuser\test.ppp )
( 31-Jul-2003 16:27:54 )
G00G90G17G49G40G80
G28G91Z0 |
|
→ |
%
O9001( JDGMILL-TEST )
( Standard )
( DGMILL 2003 )
( D:\eukuser\test.ppp )
( 31-Jul-2003 16:27:54 )
G00G90
G28G91Z0 |
|
この場合、G17G49G40G80
を出力している箇所を探し、その箇所を削除してしまえば出力されないようになりますので、
以下の手順で編集していきます。
- Start of program
を開き、Start of program
1の中の Output
parameter ボタンを押して、プログラムの編集画面を出します。
( 一連の手順はその7を参照
)
- プログラムの中からG00G90G17G49G40G80を出力している部分を探します。
この中から、最後から2行目のPRINTコマンドで出力されていることを見つけることができると思います。
PX01 :=
NOSATZ;
NOSATZ := 0;
PRINT("%");
PRINT(PID,"(",PARTXT,")");
PRINT("(", DMNAM, ")" );
PRINT("(", DPPNA, DVERS, ")" );
PRINT("(", DNCF, ")" );
PRINT("(", DATE, DTIM, ")" );
NOSATZ := PX01;
PRINT("G00 G90 G17 G49 G40
G80");
PRINT("G28 G91 Z0"); |
- 最後から2行目の PRINT("G00 G90 G17 G49 G40
G80"); を PRINT("G00 G90");
と書き変えます。
PX01 :=
NOSATZ;
NOSATZ := 0;
PRINT("%");
PRINT(PID,"(",PARTXT,")");
PRINT("(", DMNAM, ")" );
PRINT("(", DPPNA, DVERS, ")" );
PRINT("(", DNCF, ")" );
PRINT("(", DATE, DTIM, ")" );
NOSATZ := PX01;
PRINT("G00 G90");
PRINT("G28 G91 Z0"); |
- OKを押して編集画面を閉じます。
- File → Save
を選択して設定を保存します。
これで完了です。
一度、CLT データを NC データに変換して確認してみましょう。適当な
CLT データを用意してNCデータに変換してみてください。
( 手順はその6を参照 )
変換された NC データの先頭部分が次のようになっていれば編集成功です。
もし、変換の途中でエラーが表示されるようであれば、編集した内容のどこかに間違いがあります。
もう一度編集画面を出して間違い箇所を探し、修正してください。
%
O9001( JDGMILL-TEST )
( Standard )
( DGMILL 2003 )
( D:\eukuser\test.ppp )
( 31-Jul-2003 16:27:54 )
G00G90
G28G91Z0 |
JDGMILL講座 その8 ... 終わり
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